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ヴォイド・シェイパ - The Void Shaper (中公文庫)

ヴォイド・シェイパ - The Void Shaper (中公文庫)ヴォイド・シェイパ - The Void Shaper (中公文庫)
(2013/04/23)
森 博嗣

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13/6/30購入。

人は無だ。なにもかもない。ないものばかりが、自分を取り囲む―ある静かな朝、師から譲り受けた一振りの刀を背に、彼は山を下りた。
世間を知らず、過去を持たぬ若き侍・ゼンは、問いかけ、思索し、そして剣を抜く。「強くなりたい」…ただそれだけのために。

未読です。⇒13/7/4読了。


森博嗣氏のまさかの時代物。装丁からして時代物とは思えないデザインです。デザインに拘る森氏ならではですね。
文体はいつもの森氏で、時代物特有の文章ではなく、非常にソリッドな文体です。
登場人物の名前も漢字ではなくカタカナ表記で、非常に新鮮でした。
巻末の解説で触れられていましたが、漢字をあまり知らない主人公のゼンが聞いた「音(おん)」をそのまま表記したと述べられています。
物語も主人公ゼンの一人称で進みますので、戦闘シーンなども短い文章の連続でゼンの思考をトレースするような気持ちで読むことになります。これが気持ち良い。
普段の思考と斬り合いをしている時の思考の速度が異なるのがリズムの良い文章の連なりから感じられるのです。
普段の思考についても、幼少の頃から育ての親であるカシュウの元で山で育ったゼンは世の理をあまり知らず、世界は常に彼の新鮮な眼差しで描写されます。
驚き・戸惑いの連続と行っても良いのですが、その中でも彼は常に「強さとは何か」を考え続けています。
彼は無知なだけで思考の切れ味は決して悪くなく、旅の道すがらで出会った人々とのやり取りやその行動から様々なことを学んでいきます。
自分はこれからどうしたいのか、手探りのなかで彼は思い悩んではいますがそれが読んでいて決して重くない。「涼やか」と言っても良いのではないでしょうか。

一巻で語られる中でもかなりの人数の人々が出て来て、中には一緒に旅をしたいと申し出る人もいますが、彼は常に一人で旅を続けることを選択しています。
ふもとの村で出会った長の娘のイオカなどは物語の展開ではついてきてもおかしくなく、その方が物語として盛り上がるようにも思えるのですが、彼はあくまで一人で旅を続けていきます。
ですが彼の中には出会った人々の考えや、行動が確かになにがしかの意味を持って残っているのです。
人と人が出会う、といった日々当たり前のように起こる出来事が、こんなにも新鮮なのかと思えてきます。
例えば宿に泊まるための宿の主人とのやり取りですら、なにがしかの意味を持っているような感覚をもたらしてくれます。

世界は常に新しい。

貴方が代わり映えのしない日常に倦んでいるとしたら、一読してみることをお勧めします。



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