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荒野に獣 慟哭す 漫画版5巻感想 


【コミック版】荒野に獣 慟哭す 5 (徳間文庫 ゆ 2-35)【コミック版】荒野に獣 慟哭す 5 (徳間文庫 ゆ 2-35)
(2015/01/07)
夢枕獏、伊藤勢

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最終巻。
面白かった。それに尽きる。


個人的に原作ありの作品で原作以上に響いた漫画作品は
あかほりさとる氏原作、吉崎観音氏コミカライズの「VS騎士ラムネ&40炎」があったのだが
この「荒野に獣慟哭す」がそれに匹敵する読後感だった。

どちらも原作は物悲しいラストだったものが
希望を垣間見せるラストとなっている。

「フィクションの中でくらいハッピーエンドじゃなければ」とは
誰の台詞だったか忘れてしまったが、物語はやはりこういったラストが好みなのだと思う。

元々情報量の多い原作だが、伊藤勢氏の薀蓄とちょっとひねくれた思想が
これでもかと詰め込まれた作品になっていたと思う。
人によっては説教くさいと感じられるかもしれないが、
外連味のある言葉回しとキャラクターの造詣にぐいぐいと引き込まれる作品だった。

ネタバレになってしまうが、カレワラの魂を夢枕獏氏が「釣り上げる」ところなど
重要なシーンであるのにとことんふざけていて、かつ何故か爽快感があった。
物語の緩急とでもいうのだろうか、これもネタバレになってしまうが秋田義信氏の
「魔術師オーフェン」シリーズの富士見文庫版のラスト近くで
主人公のオーフェンが狂言回し役のボルカノ・ボルカンに突っ込みを入れることで
覚醒するシーンが浮かんできた。
いつだって人生を切り開くのは「真剣なおふざけ」なのかもしれない。



伊藤勢先生、10年間お疲れ様でした。
今後の作品にも期待したいです。

いや、ほんとみんな一度読んでみるべきだと思うよ?

>【コミック版】荒野に獣 慟哭す 2


   


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